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◆知って、得する知識…info1 「トラベラーズワクチン」

海外滞在のための渡航外来を行っています。
県内の企業では海外赴任や出張の機会が増え、滞在中の健康維持に関心が高まっています。渡航先によって注意を要する疾患は異なり、医療事情もさまざまです。渡航外来では、一人ひとりの事情に合わせた疾病予防、情報提供を行います。
感染症に対して予防接種の計画を立てますが、海外での活動内容や滞在期間、年齢、既往症、妊娠や授乳の有無、そして出発までの時間の余裕などを考慮して必要な対策を決めることが重要です。短期間の観光旅行でも事前の準備があれば安心して過ごすことができるでしょう。


◆知って、得する知識………info2 「ドライマウス」 

ドライマウスは別名「口腔乾燥症」と呼ばれています。唾液の量が少なくなったり、唾液の性質が変化することで生じます。唾液には大切な役割がたくさんあります。

ドライマウスは別名「口腔乾燥症」と呼ばれています。唾液の量が少なくなったり、唾液の性質が変化することで生じます。
唾液には大切な役割がたくさんあります。唾液が減少すると、口が渇くだけでなく、話しにくい、食べにくい、舌が痛い、飲み込みにくい、味がわからない、入れ歯があわず痛い…といったさまざまな症状が現れます。


こうした症状を呼び起こすドライマウスについて、原因ごとに説明しましょう。


1)全身性または代謝性のもの…尿崩症、糖尿病、腎障害、貧血などが主な原因で、唾液腺には異常がないのに水分が不足して唾液が減少します。

2)神経性のもの…うつ病、ストレスなどの疾患が代表的です。薬剤性のものでは、抗不安薬、抗うつ薬、抗アレルギー薬
降圧薬などによるものが多く、唾液分泌に関わる神経が抑制されることが原因です。

3)唾液腺自体の障害によるもの…唾液腺自体が障害を受けると唾液を作れなくなります。その代表的疾患がシェーグレン
症候群です。その他に、放射線治療や加齢的変化による唾液腺障害があります。

ドライマウスは原因がはっきりしていれば

 たとえば糖尿病や貧血であれば、その治療をします。しかし、放射線照射後、加齢的変化など、その根治的治療が難しい場合は対症療法しかありません。

 自分でできる方法としては、唾液腺を刺激すること。食事はよく噛んで、唾液分泌を促進する食品(梅干、レモン、酢の物など)を積極的にとりましょう。スプレー式の人口唾液やヒアルロン酸入りの湿潤剤、ガムなども効果があり、昆布の小片を口に入れてしゃぶる方法は手軽でお勧めです。



◆知って、得する知識………info3 「スギ花粉症、舌下免疫療法」 

アレルゲン免疫療法は皮下注射によって行われてきました。自宅では行えず、痛みを伴うことなど不便な点がありました。スギ花粉エキス製剤シダトレンの舌下嚥下法は注射の痛みがなく、アナフィラキシーショックを起こすことも稀です。花粉症対策のひとつとして検討できます。